2024年のTokyoDev Developer Survey結果を発表!

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マクマホン・ポール

代表取締役

2024年9月、TokyoDevは日本在住のグローバルエンジニアを対象にしたアンケート調査を実施しました。TokyoDevでは本調査を年に一度実施しており、第6回目となる今年は昨年から14%多い814名から回答を得ました。集計結果を公開していますので、全ての結果をご確認いただくか、この記事で主な項目をぜひチェックしてください。

人材市場の変化はわずか

回答者の年収中央値は850万円で昨年の調査から変化はありませんでした。2022年の950万円からは減少しています。

その他の点においても、グローバルエンジニアを取り巻く最近の市場は2023年と大きく変わらないようです。例えば、積極的に転職活動中と答えた回答者は今年は17%2023年は19%でした。また、無職と答えた回答者は2%で昨年と同じでした。

外資系企業で英語を話すポジションが高給

外資系企業に勤務するエンジニアが日本企業のエンジニアよりもはるかに高給であることは、過去の調査でも明らかでしたが、今年も同様に外資系企業の社員は日本企業の社員よりも年収中央値が47%高い結果となりました。この差は2023年のほうが大きく、外資系企業の社員のほうが73%高い結果となっていました。

英語を使うかどうかも給与額との相関性が高く、仕事で頻繁にまたはいつも英語を使うエンジニアは英語をめったにまたは全く使わない人よりも年収中央値が73%高いことがわかりました。また、英語の能力が高いほど給与額が高いことも示されました。

一方、日本語能力と給与額にはほとんど相関性はなく、むしろ日本語の使用頻度は給与額にマイナスに働くことがわかりました。これは、これまでに私たちが耳にしてきた「日本でキャリアアップしたいなら、日本語能力が必要」という話とは相反する結果です。この点について詳しく述べることは本記事の目的から外れるので控えますが、本調査の回答者の多くは日本語能力を必要としない環境で働いていて、頻繁にまたはいつも日本語を使うと答えたのは回答者の32%だけだったということも一つの要因となっています。

リモートが減ることで増える課題

社員にフルリモートワークを認めてきた企業が、一定数の出社を義務付けたハイブリッドワークに切り替えている様子が伺えました。2023年には回答者の43%が出社するかどうかを自分で選べると答えたのに対し、今年はそれが38%に減少。その分ハイブリッドワークが増加しました。

リモートワークが難しい組織で働く回答者ほど、転職活動に積極的であることもわかりました。希望すればリモートワークができると答えた回答者では転職活動をしている人が10%だったのに対し、毎日フルタイムで出社している人ではなんと39%でした。ハイブリッドワークの人はその中間で、18%の人が転職活動中と回答しました。

それに加え、出社が必要な人においてはフルリモートで働ける人に比べて、雇用の安定以外のすべての項目で職場への評価が低い傾向にありました。

全体で見ると、リモートワークは回答者が最も重要だと考える利点であり、アンケートに回答した人のうち49%が他のどの項目よりも高い価値を感じていました。このことから、フルリモートで働ける環境を今後も提供していく企業は採用で有利になりそうだと言えます。

経験年数を考慮してもなお、女性の給与は男性を下回る

男性の回答者の年収中央値は、女性回答者よりも46%高い結果となりました。

男性回答者の経験年数のほうが長いということも、この結果の一因でした。男性の経験年数の中央値は7年ですが、女性は6年。また、男性の25%が13年以上の経験年数があるのに対し、女性は9年でした。

しかし、同じぐらいの経験年数で比較しても、男性回答者の給与のほうが高く、給与格差は経験年数に比例して広がる実態が見えました。例えば、経験年数が4〜6年では男性が女性よりも7%、経験年数が7〜9年では男性のほうが31%も給与が高いことが示されました。

この格差の背景にある理由は複雑ですが、日本のテック業界において女性がいまだに困難に直面し続けていることは明らかです。この問題解決のために企業が取り組めることについては、ぜひこちらの記事をお読みください。

グローバルエンジニアたちの幸福度は高い

回答者の62%が日本で働くことに満足またはとても満足していると答えました。Stack Overflowの2024年の調査でも同じような質問がありましたが、現在のエンジニアとしての仕事に満足していると回答した人は20%にとどまったようです。

国際的に見ても日本はワークライフバランスが悪いと言われますが、TokyoDevの調査に回答したエンジニアにおいては当てはまらないと言えそうです。70%がワークライフバランスがいい72%が通常の勤務時間が週40時間以下、そして55%が有給休暇の80〜100%を消化する予定だと回答しました。

本調査の回答者が日本のエンジニア市場全体を表しているわけではない点に注意が必要です。回答者は比較的高い給与を得ていることから、特に良い職場環境を提供する企業で働いている可能性が高く、このことが高い満足度につながっていると考えられます。

結果のデータをぜひ活用してください

本調査のすべての結果では、これ以外のたくさんの発見や見解をご覧いただけるほか、皆さんが自分の関心に合わせてグラフをカスタマイズし、データをさらに詳しく自由に分析できるようにしています。どうか大いに活用していただき、興味深い関連性などを発見した場合には、社内外ででぜひシェアしてください!ご意見やご質問があれば[email protected]までお気軽にご連絡下さい。

著者について

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マクマホン・ポール

代表取締役

カナダ出身のソフトウェア開発者で2006年から日本在住。2011年からTokyoDevを通じて、外国人エンジニアの日本でのキャリアスタートとキャリアアップをサポートしています。

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